行政交渉

2008.12.04

大阪府生活保護交渉

交渉1日目、15単組84名参加
2008年12月4日(木)日赤会館にて、大阪府健康福祉部社会援護課と交渉を行いました。当局は、深村総括補佐をはじめとする10名が応対。大生連からは15単組84人が参加。私の要求アンケート8単組122名分を提出しました。日本共産党芹生幸一議員が激励にこられました。

夏期・歳末一時金を求める生活保護者の発言

◇人間らしいくらしができるよう一時金を復活してと訴え
堺市 1人暮らしで、1日1000円(タバコを吸うので実質700円)で生活している。スーパーに行くと物の値段があがっている。生活保護費を上げてほしい。老齢加算も元にもどすよう国へ要望してほしい。人間らしいくらしができるよう大阪府も一時金を元にもどして。
枚方・交野 以前はタクシー運転手をしていたが、脳梗塞で倒れ働けなくなった。母の年金と保護費で生活している。母は特別養護老人ホームに入所しているが、母の年金が入る2ヶ月に1回の15日に業務スーパーに行き、2ヶ月分まとめ買いをしている。少しでも節約するため108円のスカスカのパンしか買えない。たまには158円のふわふわのパンを買いたい。2ヶ月に1回、風月でお好み焼きを食べることが、唯一の幸せ。これくらいの贅沢はゆるしてほしい。

「私のひと言」一時金についての回答

【大阪府】 最低生活の維持は国の責務。実態は国に伝えていきたい。府の財政状況からみて、一時金の復活は難しい。
【大生連】 回答は納得できない。生きていくために必要な食費を削らないとやっていけない。ちゃんと国へは伝わっているのか。
【大阪府】 生活保護費が一般世帯の消費水準の70%になったため一時金は廃止になった。生活保護基準は厚生労働大臣が妥当かどうかの判断をし、決定している。府としては、6月と11月に生活保護の適正な水準をお願いしますと国へ要望している。
【大生連】 財政がないということはない。たとえないとしても生活保護というのは財源を確保しなければいけない。一般世帯の70%ではまだ低すぎる。府としてできる努力はしてほしい。生活保護世帯は預金もなく回すお金がない。保護世帯の実態がわかっていないのではないか。大生連が集計したアンケートでは、エアコンがある家庭は78.2%、そのうち使用していないのは28.9%。昨年と比べると食費を削るが78.5%から89.3%に、交際費(冠婚葬祭費)を削るは41.3%から82.5%に増えている。その他の集計でもくらしは厳しくなっている。こういった状況で生活保護が妥当な水準かどうか厚労省の回答ではなく府としての考えを聞かせて。
【大阪府】 昨年と比べても大変になっている状況はわかった。一時金は府の施策として行ってきたが、ある程度の水準に達したので一時金は廃止した。国へは伝えていきたい。一時金を廃止し、自立支援に予算を回していろいろな支援を行ってきている。
【大生連】 自立支援事業にいくら予算を使っているのか。自治体が行っている事業は把握しているか。
【大阪府】 資料がない。
【大生連】 なぜ資料を用意していないのか。資料請求をする。
【大阪府】 次回、用意する。
【大生連】 自治体の交渉でも一時金は、府が廃止したからと回答している。府の責任は大きい。昨年の原油高騰にともなって、寒冷地以外でも給付が認められ、支給した自治体や高齢者の医療費を無料にした自治体もある。府として独自の施策をすることが求められている。次回、アンケートも熟読し、回答してほしい。

◆泉佐野市の事例

【貝 塚】 現在、離婚調停中の泉佐野市に住む母子世帯の11月分の保護費が2万円減らされた。市は、本人に確認もせず前夫に連絡し、扶養できるかの問い合わせをし、前夫はわからないまま2万円の援助を約束させられた。その結果、実際には2万円の援助がされていないのに、収入認定し、保護費から引かれていた。また、泉佐野市は、市内に住むすべての扶養義務者に対して訪問調査を行っている。
【大阪府】 調査は金銭的なものだけではなく、子どもの面倒をみるなど精神的援助も含まれる。DⅤやつき合いが疎遠になるなどの場合は状況に応じての対応になるが、監査等では、特に母子世帯について、前夫や親子関係に資産があるかなど状況を見た上で調査を行うよう言っている。収入認定については、本人に連絡がつかなかったため見込み認定を行ったと聞いているが、再度市へ確認し、次回、回答する。
【大生連】 調停中にもかかわらず前夫に無断で連絡をとっている。また、15歳の子に1歳の子の子守をさせ仕事に行くよう指導している。自立助長の観点から、このような指導は正しいのか。次回、事実を確認し回答して。

◆岸和田市の事例

【本 人】 夫婦(40代)で失業中。ハローワークに行っても仕事がない。これまで4度保護の申請に行ったがすべて却下された。今まで住んでいたUR住宅も家賃を滞納し退去せざるをえなかった。夫は仕事に就けないなどのストレスで胃を悪くした。仕事について生活が安定するまででも生活保護を認めて欲しい。
【大生連】 現在、審査請求中。早く処分を決定して欲しい。

◆寝屋川市の事例

【寝屋川】 申請に行くと、生活実態なども聞くのに、地域の担当者がいないからと申請を受理しないのはおかしい。
【大阪府】 担当者がいないからと申請を受理しないのはおかしい。
【大生連】 市に対しどのような対応を行ったか次回、回答して欲しい。
【大阪府】 了解しました。
【寝屋川】 文書ではなく口頭で指導を行っている。
【大阪府】 具体事例がわからないが、保護の変更や停止に伴う場合は文書での指導を行うが、その他については口頭での指導もありうる。
【寝屋川】 申請してから決定までの間、病院へ通院していることも言っているのに、ケースワーカーは病院へ連絡せず、病院の窓口で10割の負担をさせられた。
【大阪府】 病院へ行くことを伝えれば、連絡を行う。
【大生連】 それをしていない。市に対しどのような対応を行ったか次回、回答して欲しい。
【寝屋川】 喉頭がんで療養中にもかかわらず検診命令を行っている。
【大阪府】 稼動能力や体の状況を判断するため必要。
【大生連】 明らかに、稼働能力がない場合にも必要なのか。

◆法定期限について

【寝屋川】 法定期限の14日以内の決定がされていない。聞くと扶養や資産の調査に手間取っているためと答えるが、遅れたまま連絡もせず放置されている。
【松 原】 うちの市でも守られていない。府は以前に、扶養や資産の調査は特別理由にあたらないと答えている。
【大阪府】 14日以内の決定するよう周知徹底している。扶養については決定要件ではない。資産についてもあると思われるとき以外はできるだけ14日以内決定するよう指導している。
【大生連】 府として処理基準を示すべきだ。

◆摂津市の事例

【摂 津】 アルゼンチン人留学生が病気のため働けなくなり生活保護の申請をしたが、却下された。学費も払えず休学状態になっている。あと数ヶ月で博士課程を修了できる。いまのままでは国に帰っても就職もできない。生活保護は受給できないのか。
【大阪府】 生活保護法第1条の国はすべての国民に対し必要な保護を行うとする「国民」とは、外国人は含まないというのが国の見解。在日の方には準用という形で行政措置として行うが、ニューカマー(非定住外国人)に対しては認められていない。判例でも出ている。しかし、急迫状態であれば考えられる。
【摂 津】 急迫とはどのような状態か。
【大阪府】 命に関わるようなこと。
【大生連】 研究課題にして欲しい。

◆車の保有について

【門真守口】 10年前に購入した中古自動車で、査定しても価値はない。通勤には認められているが通院や買い物などには認めてもらえない。
【大阪府】 国も見直しを考えているが、現状では一定の条件つきで認めている。

◆問題提起

一時金の復活を強く求める。今回出された事例については、各市へ確認し、次回回答を求める。また、政府が行う定額給付金について収入認定するかどうかを教えて欲しい。