2008.07.28
大阪市生活保護交渉 交渉1日目、17単組118名が参加
7月28日(木)、中之島中央公会堂にて大阪市生活保護交渉を行いました。大阪市健康福祉局生活保護担当の岸課長代理、大場係長をはじめ8名が対応。大生連から17単組百十八名が参加。一時金復活と移送費の制限はやめよなど私の要求アンケートを267名分提出しました。
一時金復活を求めるひとこと
▼物価も値上がりし、いまこそ一時金が必要。▼保護費の中にしめる食費の割合は高い。物価の高騰、とくに食料品が値上がりしている。▼市の回答に整合性はない。以前よりも一時金の必要性が高まっている。課内で検討して補正予算をくんで欲しい。予算の無駄使いをやめれば実現できる。▼保護世帯の実態をわかっていない。体験してもらえば大変さがわかる。▼一般世帯の水準も下がっている。そこに生活保護基準を合わせるのはおかしい。生存権を守るための基準は生活保護ではないのか。▼一時金を廃止した平成16年と今との違いを認識していない。物価の高騰など今は緊急の事態。大阪市としての対策をとって欲しい。
【大生連】 一時金の復活について、一般勤労者世帯の消費支出の7割に達したため、当初の目的を達成したとの回答だが、生活保護世帯の話したくらしの実態とは開きがある。どのように思うのか。
【大阪市】 一時金については基本回答の通りだが、聞かせていただいたみなさんの実態は、国や厚生労働省へも伝えていきたい。
【 旭 】 福祉というものはどのような目的で設けられているのか教えて欲しい。
【大阪市】 生活保護は、憲法25条で保障されている最低限度の生活を保障するために設けられている。
【此 花】 生活保護世帯には母子世帯が多い。お風呂も満足に入れず、夏は着替えもふえて洗濯の量が増え、水道料金も上がる。そうなると食費を削るしかない。クーラーも少しの時間でも使えない。お風呂も週1、2回しか入ることができない。これが最低限度の生活なのか。
【大阪市】 生活保護費は国が定めるもの。みなさんの状況は国に伝えていきたい。一時金については、妥当な水準に達したため廃止した。
【大生連】 納得できない。提出したアンケートをよく読み、2日目に回答してほしい。
■移送費について
【東淀川】 大腸の手術で入院し、退院するときに荷物が多く、体調も充分回復していなかったためタクシーを使って帰宅した。タクシー代を請求したが、担当ケースワーカーは、生活保護利用者はすべて保護費の中でまかなうことになっているのでだめと言われた。
【大生連】 移送費について市の考え方を詳しく教えてほしい。
【大阪市】 大阪市内であれば、他区でも認める。隣接の市への通院、タクシーの使用もやむおえない場合は認める。荷物が多く、体調が悪い場合のタクシー代は支給可能と考える。
【大生連】 市の回答と東淀川区の対応は矛盾がある。どうするのか。
【大阪市】 区に確認する。
【大生連】 隣接の市だけではなく他市への通院移送費の支給はどうなるのか。
【大阪市】 その病院でなければどうしても治療できない場合は、状況関係を確認し給付する。
【大生連】 全生連と厚生労働省の交渉では実施機関が500円でも高額だと認めれば支給するとの回答だった。高額の基準とはどのような場合か。
【大阪市】 国へも問い合わせたが具体的な回答はなかった。市としては、定期的な通院の場合は高額になると考える。医師の意見書等を確認し支給する。個々のケースによって検討する。
【大生連】 周知徹底のため通知などを出す予定はあるのか。
【大阪市】 事務通知を出す予定にしている。
【大生連】 事務通知の文書を大生連にもほしい。
【大阪市】 わかりました。
■申請権の侵害について
【城 東】 申請書をカウンターにおいてほしい。
【大阪市】 申請権の侵害がないよう区へは徹底している。
【鶴 見】 生活保護を申請しようと思っている人がいる。家賃が8万円のところに住んでいるが、高額家賃だからと申請前に転居指導したりはしないか。
【大阪市】 まず申請を受理し、決定してから転居指導を行う。高額家賃のみをもっての却下はない。
【平 野】 本人の意思を確認して申請書を渡すと回答しているが、面接時には必ず申請の意志があるかどうかを確認するよう指導してほしい。
【大阪市】 申請の意志がある場合は、申請権の侵害ないよう周知している。
■指導指示・就労指導について
【城 東】 ケースワーカーに65歳以下の生活保護利用者の保護費の25%が就労活動費だといわれたが本当か。
【大阪市】 25%が就労活動費というのは間違い。
【 港 】 ①37歳の母子世帯で、1級の視力障害がある。昨年子宮筋腫の手術をし、体調も悪く通院もしている中で、子どもが学校に行っているからとか片目でも見えているなら働けると就労指導され悩んでいる。②59歳単身女性の方は、心臓の手術をし、障害を持っている。心臓が悪くても働けると就労指導をされ、発作が起きるのが辛いと話すと「辛いのは誰でも辛い、気の持ちよう」「働く気がないから言うんでしょ」と言われた。③53歳の単身女性の場合は新しく変わったケースワーカーが訪問の際、事前に電話もせずいきなり来るので、事前に電話して欲しいと言うと「事前に電話すると本当にそこに住んでいるかわからない」と言われた。またガンの手術をし、治療中のため医師の意見書は軽労働可になっているが、前のケースワーカーはゆっくり治療をしたらいいと言っていたのに、新しいケースワーカーは今までの状況も経過などの記録も見ずに年齢が若いだけで就労指導をしている。
【大阪市】 就労指導を行う場合には、一人ひとりの体の状況や生活状況を把握し本人とのよく相談して行うよう指導している。引継ぎについても状況把握を丁寧に行う必要がある。聞いた事例については、区に確認し指導していきたい。
家庭訪問については、できるだけ定期的に訪問するよう対応しようと思っている。訪問する前に事前に電話して欲しい場合は、ケースワーカーに相談して欲しい。
【東 成】 城東区に生活保護の申請に行った。重いうつ病で医者から働かないように言われている人に対して2ヶ月たつと就労し辞退すると書くように言われた。また、面接室の机の上に職員の指示に従わない場合は警察を呼ぶと書かれている。相談にくる市民を威圧するようなことはやめて、撤去して欲しい。
【大阪市】 国からも保護の廃止については十分留意するよう言われており、このようなことのないように徹底したい。面接室の注意書きについても留意するよう注意する。
【大生連】 辞退届けは必要なのか。広島高裁の判決にも出ている。強要は違法行為で、職員の処分にも関わる。大阪市の回答と現場の対応が違う。各区へ徹底してほしい。
【大阪市】 強要すべきものではなく、定めた様式もない。廃止の際は本人の生活状況もふまえて判断する。個別事案については区へ確認し、対応する。
【東 成】 城東区では申請前に検診命令もしている。
【城 東】 包丁研ぎの技術を持った人に、包丁研ぎをやめ別の就職を探すよう言われた。本人はその技術をいかした仕事をしたいと希望している。別の仕事をするならと辞退届けを書かされそうになった。
【大生連】 事実関係を調査し、確認して次回回答を。
■同意書について
【大生連】 年金の受給者資格を確認するために同意書をとっている。社会保険庁へ確認すればいいだけなのに一括同意書になっている。市としてどう考えるのか。
【住之江】 保護の申請の際、資産もないので同意書の提出を拒否すると受付面接担当者が申請書に大きく「拒否」と書く。そのような指導をしているのか。
【大阪市】 包括同意書はいただきたいが、人権侵害のないよう注意するよう指導している。
【大生連】 年金の受給者資格を確認するための同意書の作成を検討して。
【大阪市】 基本的には包括同意書で対応するが、検討する。
【大生連】 一般の人に、年金のことを調べるために銀行などを調べるからと包括同意書を送ったりはしない。それを保護世帯にするという考え方がおかしい。
【大阪市】 真摯に受け止め、次回回答する。
【住之江】 申請時に同意書を拒否すると、却下になることもあると言われた。これは正しいことか。個別同意ならすると言うと60枚必要と言われた。
【大阪市】 同意書は保護の要件確認に必要。個別同意書の枚数は地域の状況によって変わる。
【大生連】 調査先は示してもらえるのか。
【大阪市】 それは可能だ。
【大生連】 申請時に包括同意書を拒否すると、却下になるというのは何法に基づいているのか。
【大阪市】 生活保護法4条に基づき行う。提出がないからといって、申請書を直ちに却下ということではない。
【住之江】 全区に徹底して。
【大生連】 生活保護行政を適正に運営するための手引きは参考と回答していたことと矛盾している。同意を得られなければ却下するというのは、保護の精神に反する。
【 北 】 包括同意についての取り扱いはSP会議で通知を出しているが、それは今も生きているのか。
【大阪市】 通知については今も生きている。
■ケースワーカーの資質について
【 港 】 収入申告を提出したのに出ていないと言われた。結局、別の担当者のところにあった。きちっとして欲しい。
【大阪市】 書類は公文書。職員としてあるまじき行為。指導もする。
【平 野】 64歳の男性が働けなくなって生活保護の申請に行った。そのときに雇用保険もらうよう言われた。病気で働けない場合、雇用保険はおりない。法律違反をさせるのか。
【大阪市】 誤った指導を行わないよう徹底して行く。
■次回の交渉に向けて
出された実態、事例については区へも確認し、次回回答を。また、私の要求アンケートに目を通して次回の交渉で感想を聞かせて欲しい。