2008.05.12
大阪府に対して「通院移送費」について聞き取り
大阪府から松本社会援護課長補佐、川野総括補佐、守村総括補佐、西村総括補佐
大生連から平山、森田、大口、秋吉が出席
【当 局】 4月に医療扶助の移送費の取り扱いが変更された。4月15日に厚生労働省に接見する機会があったので、高額の基準、障害者等、へき地等の等についてどういうものが含まれているのか、統一見解を示すよう大阪府社会援護課長名で要望した。高額の額が決まらないと6月まで移行期間があるとはいえ、定まらない状況だ。
【当 局】 今回の運営要綱、課長通知については問題を含むと認識している。
例えば、運営要綱をどう読むのか、高額に達すれば支給でき、到らない場合は支給しないとわれわれは当初は解釈していたが、そうではなく、高額の差額分を支給するようだ。では、そうなると、その額を決めないと支給できない。実施機関で高額の概念を決めても良いように解釈できたので、一部の自治体ではすすめてきたところもある。バラバラにならざるをえない。6月までの3ヶ月間は過渡期。それ以後は全国統一になるのかなと思う。
【大生連】 今、バラバラの対応が7月には統一できるのか?
【当 局】 すでに実施機関の責任で始めているところもある。7月にいっせいスタートのコメントがとれるようにと国は考えているようだ。
【大生連】 国が示さないときはどうするか?
【当 局】 国は示すとは言っているが、時期は分からない。しかし、遅くとも6月には出さないと7月いっせいスタートにはならない。4月当初はそれぞれの実施機関の判断で出せと、高額の基準を示すつもりはなかったようだ。実施機関によって交通条件も管内の広さも違うので条件にあわせて考えてよいとのスタンスだったが、いろいろ批判をあびて、それぞれ額が違ってよいのかと、中央も考えて一定示すべきだろうと考えた。
【大生連】 口頭ではいつ言われたのか。
【当 局】 4月15日に要望書を持っていったときだ。基準をしめすべく検討中と言われた。
【大生連】 府は国の言うとおりにするのか。移送費の一般的給付要件として国保の例を出しているが、自治体では国保課も知らないこと。現場では困っていると聞いた。
【当 局】 運営要綱に示されているので。実施要領改正で、従来のもOKとなれば、自治体の判断の余地はあるが。今のところは実施要領で全国統一でやれということなので、府が独自に別の考えでやる余地はない。一般的給付のほうが例外的と個人的には思う。
【大生連】 京都府は6月までは国の基準が分からないので、従来どおりの取り扱いでよいと文書を出している。今回の変更は診療抑制につながると考えるが、府は実施機関に文書を出す予定はないか?
【当 局】 5月半ばに来ているので、旧基準でよいと市町村に通知を出す考えはない。
4月から施行したところからは、「厚労省からやり方が間違っているとか指摘されることはないですね」と電話照会を受けたことはある。仮に国からダメといわれることになって、はしごがはずされたら全国的に大混乱するが、一部実施されたところはある。
【大生連】 医療抑制の実態や、従来どおりの自治体を把握しているか?
【当 局】 つかんでいない。堺市が文書を出したことは知っているが、政令市で助言の対象外だ。
【大生連】 吹田では3月末にケースワーカーから変更を伝えられた人もいる。市に確認したら、一部のケースワーカーが言ったことで市は従来どおりにやるといわれた。
【当 局】 実施時期のちがい、同実施機関内での査察指導員、ケースワーカーの対応の違いが出ている。大きな実施機関では統一的にできるのか危惧があったので、厚労省に聞いた。その際、それでもよいという明確なコメントはなかったが、それも一つの現場の状況として検討材料にするとのことであった。
【大生連】 京都のような見解は今からでも出すべきです。各市町村は会からも問い合わせる。
こども家庭センターの実態はつかんでいるのか。
【当 局】 聞いていない。
【大生連】 無責任だ。
【当 局】 三つのセンターの課長が集まったとき、高額の概念が示されていない中で、スタートするのはリスクがあると話された。
【大生連】 子ども家庭センターは調べて、大生連にも知らせてほしい。
【大生連】 門真に住んでいて、守口の大学病院に通院する人の移送費は出せないと4月時点では言われた。出せないのか。
【当 局】 要領では支給要件を管内と言っているが、大阪のように狭い地域に多くの市町村がある場合、管内の概念を広げる事もやむをえないと考えられる。隣接した医療機関に行く場合、100%ダメではない。実施機関が個別の事情に応じて判断する。4月4日づけ厚労省の問答にも書かれている。
【大生連】 府として具体が決まれば市町村に文書をおろすか。
【当 局】 国からの通知をもって知らせる。
【大生連】 吹田では昭和25年以来、毎月移送費の月報を提出している。一万円以上は個別事例として報告している。府は国に報告しているのか?
【当 局】 府は月報については情報として活用している。全自治体から上がっている。厚労省への報告義務はない。これまで、監査の際、額や回数を参考にした。移送費の資料については使い方を検討しなければならない。資料の問題は悩ましい問題だ。どの実施機関でも同じ対応がされるべきだが、そうはなっていない。
【大生連】 暴力団対策もしつつ、なぜ滝川の問題は起きたのか。また、岸和田の報告も受けたか。
【当 局】 滝川の案件は暴力団がらみで、詐欺事件。岸和田は違う。正当な手続きもふまえて請求されたものと認識している。マスコミは同じように報道するが、内容は違うものだ。
【当 局】 3ヶ月の是正期間を設ける実施要領を出す前に議論を尽くすべきだったと考える。
【大生連】 今からでも具申することはできるのではないか。
【当 局】 具申はしないが4月15日に要望し、伝え、行動はした。
【大生連】 今夏の交渉で本人にうったえてもらう。夏のアンケートで出されているように、通院移送費を知らない人もいた。教示がされていない。遡及すべきだ。審査請求をふくめて求めたい。2ヶ月しか遡及しないといっているが、それは正しいか。
【当 局】 国は前月までといっている。基本的には市が落ち度を認めたときは、府経由で国に特別基準を設定していいかと具申することはある。障害者加算のつけ漏れなどの場合がある。
【大生連】 今まででさえ、移送費を出すべき人に出していない。7月以降はもっときびしくなるだろう。通知をだして徹底してほしい。医療抑制がないよう現場の声を聞いてほしい。昨年末、基準引き下げを撤回したように移送費の検討余地はないのか。
【当 局】 ジェネリック医薬品の通知の撤回はあったが、だからといって本件もそうなるかはわからない。今後も国の動向を見守る。
最後に大生連は、6月末から2回の交渉を申し入れ、厚労省に提出した要望書の開示請求をした。
大阪府は三つの子ども家庭センターに聞き取りをした。子ども家庭センターでは従来どおりの運用をしていると大生連に連絡があった。(5月15日)