行政交渉

2015.08.20

2015年夏 大阪市生活保護交渉

8月20日に行われ、市内12単組67人が参加。アンケート145枚を提出。

■生活保護住宅扶助基準引き下げに関する質問事項

(質問1) 現行家賃がそのまま適用される例外措置について

(1) 以下の人は、期限を定めることはなく、現在の住宅に現行の家賃のまま住むことが出来るか?
① 医療機関・施設等への通院・通所に支障をきたす場合。
② 高齢者・障がい者・病気の人が病院等への通院が必要な場合。
③ 通勤・通学に支障を来す場合。
④ 高齢者・障がい者等を援助している扶養義務者や地域支援が転居によって支障をきたす場合。
【大阪市】 事由がやむまで。通院の必要がなくなった場合など。ただ、生活保護世帯は高齢、障がい世帯が7~8割で、医療扶助をうけている。たいがいの方が①の項目に当てはまるのではないかと考える。今年の6月30日時点で、生活保護を受けている方について、住宅扶助の限度額が変更になったからと言って、大きく生活を変えることはよくないと思っている。上記のいずれかに当てはまれば例外措置の適用はある。 通所は子どもが保育所に通っているとか、高齢者が地域のデイサービス利用者に該当する。

(2) 上記①の「施設等」②の「病院等」、④の「高齢者・障がい者等」の「等」とは、具体的に何か?
(3) 上記の例外措置と「等」の適用は福祉事務所の裁量になるのか?
【大阪市】 等については厚労省は具体的に示していない。一定、福祉事務所の裁量の余地があると思う。たとえば、障がい害であるが、手帳がなくても、生活に不自由がある方も当てはまるかもしれない。高齢者についても生活保護類型では65歳以上だが、64歳11ケ月はダメかと言えば一概にダメとは言えない。等は混乱を起こさないために、含みを持たせていると考えている。

(質問2) 家賃の契約更新の経過措置について

  1. 2015年7月以前から生活保護を利用している場合、次の契約更新時期がくるまで、現在の家 賃(2015年6月時点)のままいけるか?
  2. 賃貸契約の定めのない場合は2016年6月まで、現在の家賃でいけるか?
  3. 家さがしに熱心かつ誠実に努力している場合、2016年6月まで現在の家賃のままでいけるか?

【大阪市】 ひとつの起点が今年の6月30日。その時点で生活保護を受けている方については、限度額適用ではなく、旧来の例外が適用できないか検討する。一方で7月1日以降に申請する方は新限度額になる。単身は4万円。関西は契約更新がゆるやかで、定めのない方は、2016年6月末まで現行家賃です。熱心かつ誠実に努力している方の転居指導には履行期限がある。その期限と、2016年6月末の早い方が期限となる。最長2016年6月末です。熱心かつ誠実について、週何回かの質問についての回数は言えない。

(質問3) 特別基準について

  1. 「新たな限度額によりがたい家賃であって、世帯人員の状況、地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものは特別基準が適用できる」となっているが、具体的にはどんな世帯をさすのか?
  2. その際の基準は.世帯人数別に現行家賃の何倍までいけるのか?

【大阪市】 新基準の1.3倍を適用。市内にはそう多くはいない。車いすで一定の広さが必要な方で適用した。

(質問4) 転居指導について

  1. 転居指導ができるのはどんな場合にできるのか?
  2. 本人の意に反した転居指導はできるのか? できるとすれば生活保護法の、どの条文なのか?
  3. 転居指導を拒んだ場合、指導・指示違反として保護を停止・廃止をすることができるのか?
  4. 転居指導があった場合、引っ越し費用と敷金は支給するのか?

【大阪市】 基準額があるので、それを超えた場合は、生活扶助のなかでやりくりとなる。できれば基準額内の家賃のところに住んでくださいとお願いはしている。転居指導をお願いしているのは基準額を相当程度上回り、かつ、借金をしなければ食べていけない状況の方は転居をすすめる話はさせていただく。事情があって、ここに住みたいと、基準額を超えている金額について、加算や基礎控除でやり繰りをし、だれにも迷惑をかけていない場合は無理に指導することは想定していない。

【大阪市】 実施機関が転居指導した場合は、転居費用は出る。

(質問5) 最低居住面積水準と住宅扶助の「新基準」について

  1. 最低居住水準未満の部屋、風呂・トイレ・台所のない劣悪なところに住んでおられる生活保護利用者の対応はどうするのか?
  2. 風呂・トイレ・台所のある住居に希望した場合は、転居を認め、引っ越し代と敷金は支給するのか?

【大阪市】 劣悪についてはその方の生活の自立の観点でみる。通知では狭いところは家賃を下げることになっているが、それでもそこに住みたい方については福祉事務所がここは劣悪だからと無理に動かすことは疑問だ。本人が、部屋に風呂やトイレのあるところに代わりたいと希望すれば、基準内の家賃は出せるし、一定、劣悪な住宅と福祉事務所が認めた場合は敷金もでる。

【大生連】 今回の住宅扶助の引き下げで会にも多くの不安の声が寄せられた。4月14日厚労省通知が現場で熟知されていないため、府下では「家主に相談して家賃を下げてもらえ」など誤った転居指導がされている。この通知の徹底をまずお願いしたい。