行政交渉

2009.08.17

大阪府生活保護交渉

交渉2日目、17単組82名参加
2009年8月17日(月)エルおおさかにて、大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課と交渉を行いました。深村総括補佐をはじめとする社会援護課と自立支援グループが応対しました。大生連からは17単組82人が参加。日本共産党くち原まこと府会議員が激励に来られました。

生活実態アンケートへの感想

【大阪府】 アンケートからは厳しい雇用情勢の中、仕事を探しても思うように就職活動が進められない状態がみられる。くらしも、生活必需品の食料品が、冷夏の影響で値上がりしているなど、やりくりが難しくなっています。家計簿の食費をみると、単身世帯のうち三万から五万円の世帯が6割。前回7割だったので、1割減少し、苦しくなっているとみられる。平均3万7千円で、食費を抑えているのかなと思う。食費だけで一類を上回っているのが過半数あると推測される。光熱費なども節約しないと食費が確保できない数字になってきている。府としてはこの生活実態については国の責任において措置すべきと考え、国に要望している。他にケースワーカーの言葉がプレッシャーになるなどの意見も書かれていた。眼鏡が20年以上使って視力があわないと言う方がおられた。その場合は医療扶助の給付対象になるのでケースワーカーに相談してほしい。本来ケースワーカーが説明をしなければいけないのだが、お困りのときは、説明を求めるのは当然のことで、納得できるまでケースワーカーに相談して頂きたい。こういった場で、皆様の声を十分お聞きし、国にお伝えし、保護基準額が受給者の生活実態をふまえたものになるよう国に要望する。現場で改善すべきことがあれば、様々の機会をとらえ伝えていきたい。
【大生連】 「一類を上回っているのが過半数あると推測される」と言われたが、国に文書を出しているのか。一時金の復活をはじめ、府独自の施策をとってほしい。(18日、国への要望文書が大生連に送付された。)

生活福祉資金、貸付について

保護が支給されるまでの間、つなぎ資金の対応を全市でとってほしい。
【大生連】 府の回答では「保護の申請中であっても特例で貸付も可能」といわれたが、府下で貸し付けないところもある。ばらつきがあるので指導して。
今年10月実施といわれる総合支援資金等について、保証人不要、金利の引き下げ滞納整理への対応など報道されているが、どのような内容か。府は情報を府民にいち早く知らせるべきではないか。
【大阪府】 総合支援資金等は国制度であり、詳細が、まだ国から示されていない。借金の滞納を一掃する借換えに対応するものではないが、債務処理にかかわる法的処理費用等は貸付対象になる予定。
【摂 津】 申請しても決定までに一ヶ月かかると言われた。急場に間に合わない。どう救うのか。
【堺 市】 堺市では保護の決定までに、応急手当として社会福祉協議会の資金の提供を受けて小額を貸してくれる。府の担当課は府下の状況を調べて、府民の救済対応を指導してほしい。三福祉はどうしているのか。府の制度なのに統一していないのはなぜか。
【大阪府】 福祉事務所で対応している小口の貸付は、小口生活資金ではない。府社協から年末助け合い募金は、つなぎ資金に使わないと聞いている。三福祉では保護決定までに生活できない場合、即日(決済の関係で二、三日かかるが)対応をしている。その後で要件を確認している。各市には支障がないようにと依頼をしている。急迫保護の場合、市部の判断なので、即決せよとはいえないが、大阪府の対応を示し処置をとってと言っている。
【大生連】 府は指導したというが、市町村はそうなっていない。市によっては法定期限を守らず、保護支給まで一ヶ月かかるところもある。四月十五日に厚労省の緊急小口資金について通知が出ている。問「生活保護を申請した者について、生活保護の決定までの間に緊急小口資金の貸付の申請があった場合の取扱如何」、答「生活保護についても、この公的給付金に含まれることから、生活保護申請者に対し、保護決定され、保護が支給されるまでの間の生活費を必要とする場合には貸付を行って差し支えない。」大阪府もこの精神を生かしてほしい。
【大阪府】 お示しの通知は国制度についてのものであるが、即日資金交付せよというものではない。大阪の小口生活資金も生活保護支給までのつなぎ資金を貸付は可能だが、あくまで貸付であり即日資金交付は無理。貸付制度として審査し、決定までに10日間程度はかかる。
【大生連】 100円、200円しか手持ちがない人が、どうやって保護支給まで生活できるのか。実態を直視してほしい。急迫時の対応をとるよう改善してほしい。

1日目の回答と交渉のやりとり

◆扶養義務届について

【池 田】 弟が生活保護の申請をした。申請に同行し援助はできないと言っているにもかかわらず負債や収入など細かい調査項目の書かれた書類が送られてきた。三親等にあたる子どものことまで書く必要があるのか。「自分の生活が大変で扶養できない」人に扶養の強要をしないでほしい。
【大阪府】 池田市に確認しました。国の雛型があり、その様式をそのまま使っていた。義務ばかりが強調されているとの認識はなかったが、ほかに良い様式があれば変更も考えると言っている。
【大生連】 府はどう考えているのか。
【大阪府】 扶養義務者の資産などを記入していただければ扶養が可能なのか客観的判断ができる。あれぐらいの情報はいただき、回答に協力してほしい。依頼の文書、方法については受け取った人がわかるように丁寧に行う必要もあるので、監査など機会を捉えて助言をしたい。

◆申請の意思確認について

【摂 津】 面接の時、摂津市では申請の意思の有無欄を記載しているはずだが、面接ではメモしか持ってこない、意思の有無も聞かない。大阪府からも改善を指導してほしい。
【大阪府】 相談の段階であっても、本人が申請の意思を示せば、それは申請です。きちんと対応しなければならないと助言している。摂津市は申請の意思の有無について書く欄については設けていないが、相談の段階で申請意思の確認を必ず行い、その結果を面接記録票に記載するよう監査時に助言している。今年の3月31日付で申請の有無欄記載について国から改正する案が示された。

◆寝屋川市の事例

■収入認定及び費用返還について
【寝屋川】 本人は年金をかけていたことを知らずに10年分の年金が遡って支給された。63条の費用返還にあたると思うが全額収入認定された。なぜか。収入認定の判断基準を教えてほしい。
【大阪府】 この件は年金記録問題で発生したものではなく申請が遅れたために発生したもので、自立を阻害するものではないとして全額収入認定をした。平成19年12月28日の生活保護受給者の「年金記録問題への対応について」の通知ではなく、局長通知第10号の2の(8)にもとづいているので問題はないと思う。
【寝屋川】 納得できない。現地で話し合う。
【大生連】 医療用ストッキングについては購入を認めた。しかし、すぐにしてくれないので、急いで対応してほしい。自立のための費用については柔軟に対応してほしい。
【大阪府】 自立更生の部分は良く聞けていないので確認する。
■扶養援助に関わる収入認定について
【寝屋川】 扶養照会で親族が若干の援助をするとの回答をしたが、一度も援助がされていない。にもかかわらず、確認もないまま保護費から差引かれていた。援助があったかどうかの確認もないままそのようなことがされていいのか。
【大阪府】 一般的な考えとして、事実確認を行い、仕送りが無ければ収入認定の扱いを取り消す。仕送りが確認されれば収入認定を行う。

◆富田林市の事例

【富田林】 母子3人世帯(11歳と9歳の子)。長男は国が認定している重度の喘息。母親も喘息とアレルギーがある。1月から生活保護を利用している。6月頃から月に3度ほど就労指導を受けている。子どもの入院などで内職をしていたが、内職では収入が少ない。ヘルパーの資格があるなら活用し、仕事に行くよう言われた。子どもは発作をおこすと命の危険もある。担当ケースワーカーは仕事に行けの一点張りだ。
【大阪府】 保護開始時、子どもの病状が不安定だったが、週二回三時間程度なら働けるといわけたので、もう少し就労時間の長いところを探してくれないかと担当は言った。今、口頭指導の段階で文書指導は行っていないのは、子どもの病状が不安定なことを考慮していると思われる。母は働け働けと追い詰められている不安をもっているようだが、市としてはそのつもりは無かったと言っている。意志の疎通が十分ではなかったかもしれないといっている。今後は懇切丁寧な就労支援が必要。無理はできないが、能力は活用するよう府も富田林市に助言している。
【富田林】 女性の母の危篤、子どもの入院が重なって、就労は困難だった。内職をしたら「内職ぐらいではダメ」といわれ、気持ちが落ち込んでいる。
【大阪府】 祖母の話は今はじめて聞いたので、再度確認して連絡しておく。

◆茨木市の事例

【大生連】 57歳独身の男性が申請に行ったが、受付けず生命保険の解約を指示した。男性はその返戻金で食いつないできた。後日申請に行き、保有が認められる範囲の生命保険なので抗議すると茨木市は、1人世帯の生命保険のとりあつかいについては全員解約するよう指導しているとの回答だった。①申請させる前にそのような指導をしていいのか。②1人世帯だからといってなぜ解約させるのかを聞いた。茨木市は大阪府に対して文書を上げるといっている。大阪府の見解を聞かせてほしい。
【大阪府】 死亡保険金の受取人が姉になっており、要保護世帯以外に資産の効果が及ぶので、解約してから申請をするよう指示した。後日、申請に来られたとき「申請前の解約指導は法律違反」との申し出があったので担当課は補足性の原理で説明した。茨木市は解約を指導しているわけではなく、助言といっている。貯蓄性のない保険で本人に有利なものは認めることがあるが、この場合は受取人が姉になっているので認めなかった。保護の申請時に一律に保険の解約を先行させるのは申請権の侵害になるので気をつけてとの助言には「わかっている」と受け止めた。
【大生連】 申請前に解約を先行させ、申請権侵害だ。なぜ、単身者の場合、解約を指導するのか。機械的に解約させているのか。
【本 人】 団体で入っている保険で、会社が支払っていた。減額指導もできたはずだ。

◆柏原市の事例

■就労指導について
【柏 原】 37歳、8歳、4歳、2歳の4人の母子世帯。担当ケースワーカーが生活保護を受けるのは一時的に助けるためであり、いつまでもあてにしては困る。第3者の税金で生活していくという事を分かってください。16~17万円でも4人でやっていく自覚をもってくださいと言われた。「はい」と答えると、これは僕との約束だから必ず守ってください。書面にも本人の意思を書くといわれた。家も5万5千円ほどの家賃のところを探していたが4万円ほどで探してくださいと言われた。また、これからは何でも僕に相談してくださいと、まわりくどく生活と健康を守る会を通さないように言われた。
【大阪府】 査察指導員に電話で確認した。治療に専念するよう指導し、「税金で生活・・・」は言っていないと。受け手の気持ちを考えて対応するように指導していると言っていた。転居指導も言っていない。団体に相談されようと、されまいと対応は変わらない。府は誤解を招く話をしないようにと助言した。
■オートバイの保有について
【大阪府】 柏原市に確認した。4つの条件(①最低生活維持のために活用されている②当該地域の一般世帯との均衡③自賠責、任意保険の加入④維持費の捻出が可能であること)をクリアできれば保有は可能。地域の違いがあるので、各福祉で取扱が違う。

◆岸和田市の事例

最低生活費をわって生活している人に、保護を開始せず、なぜ求職活動を強要するのか。
【大生連】 5回申請行ったが却下され審査請求を行った事例について、大阪府は裁決を下した。3日に一度の求職活動では少なすぎるため却下は妥当という判断だった。申請前でお金がないにもかかわらず、どうすれば3日に一度の就職活動をし、最低生活を維持できるのか教えてほしい。
【大阪府】 この件は岸和田市で7月10日に保護開始された。夫と妻が働いた段階で開始された。岸和田市が夫妻に開始の説明をしており、岸和田市で真摯な求職活動の目安を示されていると思う。なお、このケースは6月29日付で再審査請求をだされ、厚労省で審査中。これ以上の回答は差し控えたい。一般的に真摯な求職活動とは、対象者の阻害要因、求職活動、就労経過などを勘案し、ケースバイケースで判断する。
【岸和田】 大阪府の裁決は納得できない。真摯な求職活動とは具体的にどのようなことか教えてほしい。
【大阪府】 家族、病状などをみて、どこまで稼働能力を活用でき、活用をはかったかと個別具体的に判断する。
【大生連】 最低生活を維持できない状態で、近所の人に援助してもらいやっと生活していたのに、どうやって求職活動をするのか。今、面接に行くにも本人負担。3日に一度の求職活動では少ないと言うが、この出費はたいへんなことだ。
【大生連】 最低生活費を下回っていたのだから、保護を開始した上で、求職活動を指示すべきだ。
【松 原】 NHKの取材をうけた。(200日間追跡)松原の会員も取材を受けたが、1人の求人に150人が応募する状態だ。こんな雇用状態のなかで、真摯に求職活動をしていないと福祉事務所に判断されたら、生活の道を閉ざされる。真摯な求職活動の基準を明確にしないと、ケースワーカーの恣意で申請権をうばうことになるのではないか。
【大生連】 保護をしないのに、なぜ、求職活動のみを強要されるのか。
【大阪府】 保護法一条と四条でお互いの見解の相違が生じている。稼動能力をどう見るかで判断に差が出てきた。一ヶ月に20日あまりとして、日雇いに行った日、ハローワークに行った日、チラシで求職活動した日が平均6.5日の求職活動で、歩いていけるところに行く、電話をかけるなどもう少しやれるのではと判断した。この判断については、これから争われる。
【大生連】 生活保護を利用しながら求職活動するのであれば、求職の努力については議論の余地を残す。しかし、最低生活費をわって生活している人に、どうしたら求職活動ができるのかを明確にしてほしい。
【大阪府】 最低生活が維持できないことをもって、急迫とはみていない。府の裁決は急迫とは見ていない。
【岸和田】 申請6回目、一年二ヶ月でやっと保護が開始された。まわりの人の援助でやっと生きていけた。府の裁決書は許せない。裁決書が与える影響も考え、再審査請求も行ったところだ。今後、本人の意思を尊重し進めていきたい。府ともひきつづき、話をしていきたい。

個別事案については現地で本人を交え話し合う10月実施の総合的な福祉資金制度については、今後府から情報提供を受けることなどを確認した。