行政交渉

2014.08.18

大阪府生活保護交渉

1日目に一括同意書について質問したことへの回答

一括同意書の件

【大生連】 ①昭和58年10月24日 「大阪府取扱要領の運用」(一括同意書に関する運用)を知っているか。何が書いてあるか。

【大阪府】 「大阪府取扱い要領の運用」については知らなかった。改めて読んだ。府においては書類の提出が、義務や強制ではないこと、理解と協力が得られない場合要否判定に支障がない場合には提出がなくても開始、却下決定をしても差し支えない。理解と協力が得られず、必要な調査が困難な場合調査先を特定して同意を求めることもやむをえないこと、申告書の提出がないことのみで調査不能と解さないと示したもの。必要な調査は他の手段でしていいということに変りはない。同意書がないと照会先が回答しない、調査がつくせない状況の時は理解と協力を求めたうえで、それでも拒否される場合は、国の通知も合わせて、却下を検討することになると考えている。また、昭和58年と現在では被調査機関においても個人情報に対する意識が違うので、現在は被調査機関からは同意書を強く求められているという感じがする。

【大生連】 ②一括同意書の提出は生活保護の開始要件か。

【大阪府】 主旨そのものは現在も変らないと考えている。絶対要件となるものではない。

【大生連】 ③今回の同意書に書いてある「健康・保護費支出」を自治体が削除しても構わないか。

【大阪府】 様式については各実施機関で定めるもの。削除した場合は、開始決定や実施に当たり必要がある場合、個別同意書を作成して調査をすべきと考える。

【大生連】 回答が極めてあいまいだ。

申請について

【大生連】 ①申請は口頭でも可能か。②申請の起点は何時か。(申請意思を示した時点でよいのか)。

【大阪府】 ①の回答 口頭の申請も認められる。一方、申請意思の確認や手続きに実施機関は改めて書面で提出を求めたり、書面での提出が困難な場合は、実施機関で必要事項を聞き取り書面にして内容を本人に説明し、署名捺印をもとめるなど申請行為があったことを明らかにするための対応をとる必要がある。
 
②の回答 口頭で意思を示された時点が申請の起点になる。

扶養について

【大生連】 ①扶養は保護に優先するとなっているが、「優先」とはどういう意味か。
②24条8項「扶養義務を履行していないと認められる場合」に通知するとなっているが、どういう人が対象か。 
③扶養親族の回答義務はあるのか。回答しない場合に罰則はあるのか。

【大阪府】 ①の回答 優先とは扶養が受けられるのであれば、それ以外のところを保護で補うと示したもの。
②の回答 24条8項の-扶養照会の対象になるのは夫婦、絶対的扶養義務者、直系血族及び兄弟姉妹、及び相対的扶養義務者の3親等内の親族の中で、現に、当該要保護者とまたはその世帯に属するものを扶養しているものと過去に当該要保護者とまたはその世帯に属するものから扶養を受けるなど、特別な事情があり、かつ扶養能力があると推測されるものとなっている。
実施機関については本人からの聞き取り等により扶養の可能性の有無等に確認検討のうえ調査対象を決定することになっている。
③の回答 扶養親族の回答義務については、義務ということはなく、罰則も定められていない。

【大生連】 扶養義務者への通知の極めて限定的な場合(明らかに扶養義務の履行が可能と認められる扶養義務者)とは実施要領問答5(の5)に書いてある通りに違いないか。

  1. 定期的に会っているなど交際状況が良好(20年以上音信不通・DVなどは除外)
  2. 扶養義務者の勤務先等から要保護者にかかる扶養手当や税法上の控除受けている
  3. 高額な収入を得ているなど、資力がある等を総合的に勘案し、
  4. 家裁への調停又は審判の申し立てを行う蓋然性が高いと認められる者

【大阪府】 間違いない

生活上の義務について

【大生連】 ①家計簿をつけるのを強制するのか。②従わなかったら罰則規定はあるのか。

【大阪府】 生活上の義務について罰則の規定はない。
 ③加藤裁判、学資保険裁判判決の生活保護費の使途の自己決定権について知っているか。
 ④何が書いてあるか。

【大阪府】 加藤、中島裁判について内容を説明。使途について示された裁判と認識している。

【大生連】 生活保護費の使途は本人が決める、自己決定権のことか。

【大阪府】 そうだ。

ジェネリックについて

【大生連】 ①強制か。この基準は何か。②従わなかったら罰則があるのか。
【大阪府】 国から平成25年5月16日付「生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取扱いについて」厚生労働省社会・援護局保護課長通知が出ている。処方医が一般名処方を行っている場合または銘柄名処方であって後発医薬品への変更を不可としていない場合には、後発医薬品を原則として使用することとする。処方医が一般の銘柄処方である場合、変更不可としていない場合に後発医薬品を原則使用するものだが、処方医が後発医薬品の変更不可としている場合は対象外としている。こうしたことから、使用促進について受給者に強制することはなく、使用を拒否した場合の罰則規定もない。が、理由なく後発医薬品を使用しない場合は服薬指導を含む健康管理指導の対象になることがあり、今般の法改正においても医師が医学的知見に基づき、後発医薬品を使用することができると認めた場合、被保護者に対し、可能な限り、後発医薬品の使用を促すことにより、医療の給付を行うよう努めることとされている。

63条と78条(不正受給)について

【大生連】 ①不正受給に返還金は保護費からの天引きをするのは強制か(天引きの申立書に関して)

【大阪府】 (78条に関する)天引きは強制ではない。実施機関が受給者に対して、不正受給の徴収債務を有している際に本人からの申し出を受けて保護の実施機関が最低限度の生活の維持に支障がないと認めた時、保護費と調整することが可能としたもの。
 申立書は4月25日付社援発0425第4号で、新規の方には7月からは保護開始時に提出を求めていくとしている。現に保護を受けている方は適宜提出を求めていく。基本的には全員に提出を求めていると思う。

【大生連】 ②63条について返還と廃止について。

【大阪府】 いったん収入が入った時保護を廃止し、使い切れば再開になるのか?については 保護中に63条の対象になっているので、困難。

【大生連】 申出書をはじめ、保護利用者の人権にかかる内容になっている。府民を守る立場から、国に劣等処遇の同意書をやめるよう意見を上げてほしい。

2日目のやりとり

高校生のアルバイトについて

【大阪府】 収入申告がなく、課税調査で判明したものは78条の適用になる。しかし、63条で扱うか、78条で扱うかは実施機関の裁量。収入申告については徴取するよう監査でも伝えている。
【大生連】 実施機関によって取り扱いが違う。また高校生のアルバイトは大幅に緩和されたことも周知徹底してほしい。生活保護利用者の生活がなりたつ配慮をしてほしい。この件に関し。私たちは、不当・不服であれば、審査請求もしていく。

申請書のカウンター設置について

【大生連】 申請書はカウンターに置いて、申請権を守ってほしい。

【大阪府】 カウンターに置くか否かは実施機関の判断。話をお聞きし、申請書の要望があれば渡すことにしている。

【大生連】 田村厚生大臣は国会答弁で、「窓口に常備配備していることが、これが条件でありますので、常備配備していなければ大問題であります。必ず申請意思を示された方が申請書を手にできなければこれは大問題でありますから、必ず窓口に配備していただくように、各自治体には伝えてまいりたい」と答弁している。このことからも、申請書のカウンター設置は申請の大前提だ。(この件に関してはかなり突っ込んだやり取りが交わされたが、平行線に終わる。今後話し合いを続けていくことを確認)