行政交渉

2009.08.19

大阪市生活保護交渉

交渉1日目、17単組155名参加
8月19日(水)、中之島中央公会堂にて大阪市健康福祉局保護課と1日目の交渉を行いました。交渉には17単組115名が参加。当局は岸課長代理をはじめとする7名が応対しました。13単組261名分の私の要求書を提出しました。
《要望項目に対する基本回答は別紙の通り。》

夏期・歳末一時金、老齢・母子加算の復活を求める生活保護者の発言

◇今の保護費では健康で文化的な生活ができない、一時金を復活してと訴え

【城 東】 今年は、例年より涼しかったが、猛暑が続けばクーラーがないと寝られない。次の日の仕事にも差し支える。一時金を復活してほしい。このところの野菜の高騰で食費が大変。
【住 吉】 水道料金も払わなければならなくなり光熱費が高くつく。一時金の復活をしてほしい。
【住 吉】 73歳で一人暮らし。介護サービスを利用しているが、掃除をしてくれる時に水をジャージャー使う。せっかくきれいにしてくれているのに節約してとは言えない。一時金が大切。
【西淀川】 買い物はその日一番大安売りをしているスーパーに行って買い物し食費を削って節約している。クーラーをつけると電気代がはね上がるのでつけられない。
【平 野】 7万5千円で生活している。一生懸命節約しないと1ヶ月やっていけない。どこのスーパーが安売りしていると聞けばリハビリのつもりで歩いて買いに行っているが、情けなくなるときがある。老齢加算を復活してほしい。
【淀 川】 今年70歳になって3760円削られ、やりくり大変で行き詰っている。そんな中でも何とか少しずつ預金しているが、電化製品が次々壊れてしまった。毎月の保護費だけでは購入は困難。保護世帯への貸付制度もつくってほしい。
【 港 】 稼動年齢のため就労指導を受けている。週に3度はハローワークに行く求職活動をしているところ。奈良に両親のお墓があるが、お花やお供え物も買えないのでお墓参りにも行けない。クーラーもあるがつけることはないし、夜も電気をほとんどつけずに早く布団に入るようにしている。
【生 野】 今の保護費ではただ寝て食べるだけの生活で人間としての尊厳は微塵もない。これでは犬や猫と同じ。健康で文化的な生活とはいったいどんなものなのか教えてほしい。

【大生連】 参加者から出された一時金復活の要望について、感想を聞かせてください。
【大阪市】 毎年の交渉などでのみなさんの声や家計調査等の生活実態を国や関係機関にも伝えている。一般勤労世帯の消費水準の7割に達していることもあり一時金は廃止になった。市の現状、他都市の状況も勘案して復活は難しい。
【大生連】 生活保護費が一般世帯の消費水準の7割になったというが、それは保護費が上がったからではなく、一般世帯の消費が下がっているからだ。
【大阪市】 生活保基準は、一般国民との消費水準と比較し国が確定している。具体的数字は手元にないため答えられないが、生活保護世帯と一般世帯の水準が相対的に縮まってきていると思う。
【大生連】 このような回答をするならば関連資料を示すべきだ。原因の一つには所得200万円以下の人が1千万人を超え、内閣府が10日に発表した国民生活に関する世論調査では前年同月比で生活が低下していると答えた人は33.6%で99年の調査時より5.1%増え、年々増加している。また、日本銀行が6月に行った生活意識に対するアンケート調査では1年後の勤め先での雇用処遇の不安を感じる人が87.2%もいる。非正規雇用の増加と賃金の減少でこのような状況になったことは歴然。けっして保護費が上がったからではない。
【大阪市】 昭和59年の調査では、一般勤労世帯の消費水準は75149円、被保護世帯50447円になっている。平成12年では一般勤労世帯は98652円、被保護世帯68396円になっており、ほぼ70%になっている。
【大生連】 私の要求書を熟読し、次回感想も含めて聞かせてほしい。私の要求書でも9割の方が食費を削っており、衣類を削るも9割近い。隣近所との付き合いや香典などを削っている人は9割を超えている。1人世帯の場合、保護費は約7万5千円。これで健康で文化的な生活が維持できると思うか教えてほしい。
【大阪市】 調査結果については調べて次回回答する。保護基準については答えられる立場にないが年金や最低賃金との整合性をとるべきとの要望を国にもしている。一時金についてはすべての個人給付の見直しの中で新たな事業を展開するため廃止された。
【大生連】 一時金を廃止し、自立支援事業に一時金の予算を充てられているが、自立支援事業の具体的な事業内容と予算を教えてほしい。
【大阪市】 次回回答する。
【大生連】 保護世帯の実態を聞いてどう感じたか。
【大阪市】 限られた金額でやりくりされていることは承知している。国にも皆さんの実態を伝えている。ご要望としてお聞きし、関係機関にも伝えていきたい。
【大生連】 次回、私の要求書の感想を聞かせてほしい。また、自立支援事業にいくら使ったか資料も示してほしい。今の生活保護費では低すぎる。保護世帯の現状を理解して、担当部局として市民を守る防波堤になってほしい。

人権侵害についての交渉のやりとり

◆旭区の事例

【 旭 】 母子世帯で母親は70歳を過ぎ痴呆にもかかっており、息子は精神的な病気を抱えている。区は息子が一人で生活保護を利用することは認めていたが、実際はひとりで生活はできないため親元で食事をしている状況。母親はマンション(持ち家)に住んでおり、年金収入の12万円で自立して生活したいと希望している。母親の家の一室に息子を住まわすことも含めて世帯分離ができないのか。2人で生活保護を利用したくてもマンションの価値が2千5百万円を超える見込みがある。これを処分してから生活保護を利用するのでは、血の通った保護行政とはいえない。リバースモゲージもマンションのため対象外になるのではないか。具体的方法があれば示してほしい。
【大生連】 リバースモゲージの対象者について教えてほしい。
【大阪市】 居住用資産の場合、あまりに高価でなければ保有も認めているが、基準としては標準3人世帯の生活保護費の10年分としておよそ2500万円ほどになるため、このケースの場合微妙な状況。リバースモゲージの場合、売却した場合500万円以上の価値がある場合が対象でマンションでもリバースモゲージの対象になる。借入申込者が65歳以上なら貸付対象になる。但し、65歳を超えた配偶者以外は借入申込者が死亡した場合は償還のため家を出なければいけない。精神的な病で、転居により精神的ダメージが大きい場合はリバースモゲージをかけない場合もある。区の方がマンションはダメと言った場合は話もするのでまず区に相談をしてみてほしい。
【 旭 】 息子は親がなくなれば家を出なければいけないというが、残った息子の生活はどうすればよいのか。
【大阪市】 リバースモゲージには推定相続人の同意が必要。同意が得られない場合はリバースモゲージは始まらない。また、リバースモゲージ中は保護の停止になるため、母親が亡くなった時点で要否判定を行い必要と認められれば保護を再開する。

◆移送費(病院への交通費)について

【大生連】 以前は隣接する他市でも支給するとの解答だったが、私の要求書を見ても支給されていない人が多い。移送費の支給についての考え方を聞かせてほしい。
【大阪市】 隣接する他市の病院が近い場合は支給する。
【大生連】 大阪市内の場合移送費が必要であれば支給し、隣接する他市であっても必要であれば移送費を支給するのか確認したい。
【大阪市】 通院の必要性が認められれば、支給は可能。国の通知では実施機関区内となっているが、大阪市の場合では区ごとになるため、それでは現実的に対応が困難になる。そのため、大阪市では市内全体で対応をしている。
【住之江】 区との交渉で、医療機関の選択は、医師との信頼関係もあるため本人に選択権あるとの回答だった。しかし要介護2の介護認定を受けていて歩行困難な人が住吉区の病院にタクシーで通院していたが国の通知がでて以降、移送費が支給されなくなった。交渉での回答と矛盾している。
【大阪市】 住之江区へも確認し、次回回答する。

◆就労指導について

■城東区の事例
【城 東】 求職活動をしていないと言って保護を廃止するとの文章が送られてきた。求職活動をしたくてもハローワークに行く交通費がないため行けない。息子も働いているが時間が短いためもっと働くよう言われている。息子が介護ヘルパーの資格を取るため学校に行っていたときも、学校に行く合間に仕事をするように言われた。職安で聞くと資格をとるために学校に行っているのは求職活動していることになると言われたがケースワーカーはそれではだめだと言った。
【大生連】 求職活動のための交通費は出るはずだ。
【城 東】 職安に行っても求職が0件のときもある。そのときは印刷もできないので書類を持っていけない。ケースワーカーは証拠がないと言って求職活動をしていると認めてくれない。証拠がないと生活保護は打ち切りになるのか。
【城 東】 文書指導はケースワーカーの恣意的判断で出されているのではないか。
【大阪市】 文書指導は公文書として出すもので決裁もいっており、個人の判断で行うようなものではない。文書指導に対する指針を示す必要があると思っている。
【大生連】 出された文書を見る限りでは、7月末で生活保護が廃止されると誤解を生む可能性がある。改善をしてほしい。
【大阪市】 文書指導の期限を定めているものだが、記載のしかたは改善の余地があると思う。

■住吉区の事例
【住 吉】 申請を受付けるときに「おたくは短期ですから」と言われた。短期とはどれくらいの期間か教えてほしい。申請用紙の中に短期の生活保護と書いていると聞いた。申請用紙を見ることはできるのか。また、仕事もあるときだけ働くのではだめといわれている。
【大阪市】 生活保護は期限が決められているものではない。そのような対応があったのであればそれは不適切な対応だ。就労状況についても個別ケースによって違う。申請内容の情報開示については本人が希望すれば可能だ。
【大生連】 区への確認も行ってほしい。
【大阪市】 わかりました。

■平野区の事例
【平 野】 子ども(長男は知的障がい者)2人と孫2人(2歳、0歳)の5人世帯。本人と娘(孫の親)が就労指導をされ求職活動を行っているがまだ仕事は見つかっていない。ケースワーカーは求職活動を行わないと言って文書指導も行っている。8月末までに仕事を見つけなければ9月から保護を停止することや大阪市外へ転居するようにいい、誓約書も書くよう言われている。大阪市外へ転居すれば転居費用も出すと言っているため、本人は八尾市に家も見つけているがこのような指導は正しいのか。文書指導の場合、即保護停止と書くのか。
【大阪市】 基本的には口頭指導で就労指導や支援を行いそれに従わなければ文書指導を行う。初めての文書指導で日にちをきって保護の停止や廃止は通常の手順からいってもおかしい。生活保護を停止するための指導ではなく、あくまでも就労していただくための指導。また、どこに住むかは本人の意志で決めるもの。区には指導する。
【平 野】 文書指導で即停止にはならず、停止の場合でも判定会議を行って決定するはずだ。
【大阪市】 期限までに文書指導に従わない場合、期限を過ぎたら再度文書指導を行う。そのときに期限までに従えないのであれば弁明の機会を設ける旨の文書をつけている。指導に従えない正当な理由がある場合は停・廃止にはならない。停・廃止の場合は、ケース診断会議を行って判断を行う。
【平 野】 就労支援を頼むと、以前一度断ったことがあるから就労支援はできないと言われた。区にも状況を確認し指導してほしい。
【大阪市】 区にも確認する。

◆住吉区での餓死事件について

【住 吉】 因果関係はないとの基本回答だが、本人は区の保護課に申請に行っている。因果関係はある。
【大阪市】 現地へ行き、調査も行った。本人が来所した際、生活保護のしおりを渡し、制度の説明を行った。就労できるならば就労を行うようにも言ったが、その時には申請の意思が確認できなかった。入院中の医療費についての相談であったため高額療養申請の手続きを行った。仕事が見つからなかったり、仕事が見つかってもその間の生活ができないようであれば相談に来るように言っている。しかし、このような事件は二度とあってはならないこと。生活状況をよく聞き、法の趣旨の紹介、他方他施策の紹介など窓口の対応は懇切丁寧に行うよう徹底している。
【大生連】 なぜ申請をさせなかったかが疑問だ。本人が来たときに説明し教示する義務がある。
【大阪市】 生活保護のしおりを渡し、制度の説明を行ったが申請の意思は確認できなかったため申請書を交付しなかった。しかしこういったことが二度三度あってはならないため、窓口での対応については徹底をしていく。また、受付面接の書式を申請の意思の確認や困窮状況の確認ができるよう変更する。
【 港 】 人事異動などで新しく課に来た人は研修がまだでも来たその日から受付面接を行っている。若いから仕事を探してくださいと返されている人はたくさんいる。光熱費の支払い状況や止められていないか、手持ちの現金、申請から決定までの間、生活費や食べ物はあるのかなぜ聞かないのか。聞いていれば餓死という事態にならずにすんだかもしれない。徹底をしてほしい。
【大生連】 いつから様式は変わるのか。
【大阪市】 9月1日にから申請意思の有無欄とライフラインの確認のチェック項目を入れた様式に変わる。
【大生連】 教示したかどうかのチェック欄も必要ではないか。
【大生連】 様式があればほしい。
【大阪市】 わかりました。

◆住之江区の事例

■収入の見込み認定について
【住之江】 収入の見込み認定について①6月は働いていないのに7月分の支給で見込み認定をして第2類と家賃分しか支給されていなかった。②7月は2日しか働いていないのに見込み認定では5日働いた分との見込みで4万5千円引かれていた。(1日9千円の日雇い仕事)③働いていないのに4万5千円見込み認定で保護費から引かれていた。抗議をするとケースワーカーは働いていると思ってと言っていた。
【大生連】 見込み認定はどういった場合に行うのか。
【大阪市】 通常は、実際に働き始めたときに時給や給料の締め日や支給日などを確認し、実際はまだ給料をもらっていないが見込みで収入認定を行い、給料がでた時点で調整を行うのが本来のやり方。住之江の件はあってはならないこと。区には確認し、指導も行う。不安定労働の方が増えているので収入認定が難しい場合があり研修でも徹底しているところ。
【住之江】 見込み認定された人は日雇い労働者で毎月決まった給料や収入ではない。
【大阪市】 見込み認定は、本人との話し合いややりとりがあったうえで決定することが大前提になっている。

◆臨時職員の採用について

【大生連】 55名の臨時職員の職務内容と雇用期間を教えてほしい。
【大阪市】 ケースワーカーの補助要員として各区へ配置し、医療券の発行などの事務的な職務を行っている。期間は6ヶ月の短期雇用。

◆緊急援護資金について

【 港 】 市営住宅に当たり入居するための敷金がなく貸付の申請に行ったが貸付要件にないからと借りることができずに市営住宅の入居をあきらめた。
【大阪市】 敷金は貸付要件対象外。災害、出産、死亡、給与の遅配、年金や生活保護の支給までのつなぎが要件。
【 港 】 もっと柔軟な対応は出来ないのか。生活保護から自立したばかりで蓄えもなかった。入居できれば家賃減免で5千円になり、今後の生活も助かった。結局4万2千円の家賃を支払わなければならない。
【大生連】 そんな場合はどうすればよいのか。
【大阪市】 今の制度ではむずかしい。具体的なことはまだ分からないが、国のほうで新たに10月から生活福祉資金の改正が行われ、敷金などの支払いを理由に保証人なしで借りれるようになると聞いている。
【此 花】 貸付金は10万円が限度額になっているが、満額出たことがない。
【大阪市】 例年、月に250件ほどの申請が、最近は4~500件に急増している。昨年の実績では年間3千8百件の貸付件数中2千8百件が生活保護が開始されるまでのつなぎのため、貸付金額の単価も小額の場合が多い。
【大生連】 10万円を貸付けられないのは原資がないことと貸付理由の枠がせますぎるためだ。原資の確保と貸付理由の柔軟な対応をするよう要望する。